2013.6.21
「いぶき」が捉えた画像研究者・関係者向けニュース一般の方向けニュース

温室効果ガス観測技術衛星(いぶき、GOSAT)に搭載された 雲・エアロソルセンサ(CAI)によるインドネシアの森林火災等の煙の分布について(2013年6月)

2013年6月のインドネシアにおける森林火災や焼き畑からの煙が隣国のシンガポールに到達した様子を、温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)に搭載された雲・エアロソルセンサ(CAI)が観測しました。

今回のGOSAT CAIの撮影範囲

図1 今回のGOSAT CAIの撮影範囲。GOSAT衛星の軌道Aは6月20日および6月23日のもの、軌道Bは6月19日および6月22日のもの。


2013年6月20日に撮影されたGOSAT CAI画像

図2 2013年6月20日に撮影されたGOSAT CAI画像。(画像クリックで拡大)

インドネシア リアウ州(スマトラ島中部、画像中央右)で発生した森林火災や焼き畑からの煙(クリーム色)が、西南西からの風によりシンガポール周辺まで運ばれていることが分かります。なおGOSAT CAIは紫外線(バンド1)を使うことにより、煙(クリーム色)と雲(白色)を識別することができます。


図3 図2のシンガポール周辺を拡大した画像。


2013年6月19日に撮影されたGOSAT CAI画像

図4 2013年6月19日に撮影されたGOSAT CAI画像。(画像クリックで拡大)

インドネシア リアウ州~マレーシア南端/シンガポール~ボルネオ島北西沖まで帯状に煙が延びていることが分かります。


2013年6月22日に撮影されたGOSAT CAI画像

図5 2013年6月22日に撮影されたGOSAT CAI画像。(画像クリックで拡大)

インドネシア リアウ州~マレーシア南端/シンガポール~ボルネオ島北西沖まで帯状に煙が延びていることが分かります。特に洋上の煙が濃いようです。


2013年6月23日に撮影されたGOSAT CAI画像

図6 2013年6月23日に撮影されたGOSAT CAI画像。(画像クリックで拡大)

インドネシア リアウ州から東北東方向に煙が延びていることが分かります。シンガポール上空にはあまり煙は流れていないようです。


補足説明)

機器名:雲・エアロソルセンサ(Cloud and Aerosol Imager, CAI)

使用したGOSATプロダクト:CAI L1Bプロダクト(V01.00)パス8および9 フレーム30-31

観測日時:図2)、図3)2013年6月20日 世界標準時 6時12分(日本標準時 15時12分)
        図4)2013年6月19日 世界標準時 5時40分(日本標準時 14時40分)
        図5)2013年6月22日 世界標準時 5時40分(日本標準時 14時40分)
        図6)2013年6月23日 世界標準時 6時12分(日本標準時 15時12分)

画像処理:連続する2つのCAI L1Bプロダクトを衛星進行方向にそって接続した。

画像の大きさ:西北西⇔東南東方向は約960 km、北北東⇔南南西方向は約1340 km

画像の分解能:500 m/画素

画像表示:CAI バンド1(波長380 nm)を青、バンド2(波長674 nm)を赤、
       バンド3(波長870 nm)を緑に割り当てて表示。

色の説明:濃紺:海、緑:植生、白:雲、クリーム色~ピンク色:煙