Special contents

[6] GOSATプロダクトの検証

GOSAT から得られるプロダクトを科学的に利用するためには、その不確かさを明らかにする検証が不可欠です。検証は、地上や航空機による観測などによって独立に得られた、より高い精度のデータを用いて行います。その検証結果を基に、さらに解析手法の改良を行います。

 

 GOSATデータの定常処理(図7)により、CO2とCH4のカラム量、吸収排出量などのプロダクト(表3)が得られます。これらのプロダクトが科学的に利用されるためには、その不確かさ(バイアスやバラツキ)を明らかにする検証が不可欠となります。そのために地上観測や航空機観測などによって独立に得られたより高い精度のデータを用います(図24)。具体的には、CO2とCH4のカラム量については、地上設置高分解能フーリエ変換分光器による観測や航空機に搭載された測定装置による直接観測などのデータにより検証を行います。雲とエアロゾルについては、ライダーやスカイラジオメータなどの遠隔計測装置を用いて検証します。吸収・排出量とその三次元分布に関しては他モデルとの比較を行います。

 

 GOSATのL2プロダクトについては、地上設置高分解能フーリエ変換分光器や航空機搭載測定装置による観測データを用いた検証を継続しています。図25に検証に用いたTCCON(Total Carbon Column Observing Network, (http://tccon.ornl.gov/))を中心とする地上設置高分解能フーリエ変換分光器の観測網を示します。主に日本、オセアニア、ヨーロッパ、北アメリカで取得されたデータを用いています。また、民間航空機(JAL)による観測プロジェクト(CONTRAIL)とNOAA(National Oceanic and Atmospheric Administration)航空機観測で取得された検証データも有効利用しています。これらの検証データと比較して、GOSATのCO2やCH4のデータはわずかに低めの値を示しています。さらに緯度帯ごとに平均した値の緯度分布は、概ね検証データと同じ傾向を示しています。今後もGOSATプロダクトの検証作業を続け、更なる解析手法の改良を進めます。

図24.GOSATプロダクトの検証実験の模式図

図25.TCCONを中心とする地上設置高分解能フーリエ変換分光器観測網。赤字はGOSATデータの検証に使われたサイト。

国立環境研究所WEBサイトへのリンクバナー JAXA宇宙航空研究開発機構WEBサイトへのリンクバナー 環境省WEBサイトへのリンクバナー

サイトポリシー   |   プライバシーポリシー   |    関連リンク    |    用語略語集

    Copyright © National Institute for Environmental Studies. All Rights Reserved.

人工衛星「いぶき」GOSATのCG画像