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環境省、(独)国立環境研究所及び(独)宇宙航空研究開発機構(以下、「三者」)は、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT/ゴーサット、平成21年1月23日打上げ)プロジェクトを推進していますが、今般、英国政府の要請に応じ、「いぶき」に搭載した雲エアロソルセンサがアイスランドにおける火山噴火及び噴煙の状況を観測した画像データの提供を開始しましたので、お知らせいたします。
温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)によるアイスランドにおける火山噴火及び噴煙の観測結果の英国政府への提供について(お知らせ)
環境省、(独)国立環境研究所及び(独)宇宙航空研究開発機構は、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT/ゴーサット、平成21年1月23日打上げ)プロジェクトを推進していますが、今般「いぶき」に搭載した雲エアロソルセンサがアイスランドにおける火山噴火及び噴煙の状況を観測しましたので、お知らせ致します。
アイスランドの首都レイキャビクの東南東約100kmにある氷河周辺では、2010年3月下旬より断続的な火山活動が観測されていましたが、4月14日と17日には大規模な噴火が発生しました。この噴火による噴煙が欧州の広範な範囲に広がったため、欧州各国では民間旅客機の運休、空港の閉鎖等の緊急対策が取られています。
「いぶき」では、温室効果ガスセンサの補助センサとして搭載している雲エアロソルセンサ(TANSO-CAI)による全球撮影を3日毎に実施していますが、4月15日以降に撮影された画像にアイスランドから欧州に広がる噴煙の様子が捉えられていることが確認されました。また4月17日にはアイスランドにおける大規模な火山噴火の様子も撮影されました。
2010/4/20更新:図8, 9(2010/4/19の画像)を追加しました。
2010/4/21更新:図10(2010/4/20の画像)を追加しました。
2010/4/22更新:図11(2010/4/21の画像)を追加しました。
2010/4/23更新:図12, 13(2010/4/22の画像)を追加しました。
図1 日本時間2010年4月15日に「いぶき」によって観測された、アイスランドで噴火した火山の噴煙の様子。「いぶき」に搭載された雲エアロソルセンサ(TANSO-CAI)の870nm, 678nm, 380nm波長チャンネル(*)に対して、それぞれ赤、緑、青色を割り当てた合成画像。概ね、雲・雪・海氷、陸の植生域、火山からの噴煙はそれぞれ白、赤、黄色で示されている。本画像は「いぶき」が4月15日に欧州上空を4回通過した際に撮影した画像を重ねて作成された(**)。その際に観測領域に含まれなかった部分が黒抜きになっている。赤三角は噴火した火山の概略位置を示す。(クリックして拡大)
図2 図1の噴煙の含まれる部分を拡大したもの。噴煙の部分の観測時刻は、4月15日午後10時半頃(日本時間)。(クリックして拡大)
図3 図1と同様。「いぶき」が4月16日(日本時間)にロシア〜欧州上空を4回通過した際に撮影した画像より作成。(クリックして拡大)
図4 図3の噴煙の含まれる部分を拡大したもの。噴煙の部分の観測時刻は、4月16日午後9時半頃(日本時間)。(クリックして拡大)
図5 図1と同様。「いぶき」が4月17日(日本時間)にロシア〜欧州上空を3回通過した際に撮影した画像より作成。(クリックして拡大)
図6 図5の火山噴火の含まれる部分を拡大したもの。噴煙の部分の観測時刻は、4月17日午後11時半頃(日本時間) 。(クリックして拡大)
図7 図1と同様。「いぶき」が4月18日(日本時間)にシベリア〜欧州上空を6回通過した際に撮影した画像より作成。(クリックして拡大)
図8 図1と同様。「いぶき」が4月19日(日本時間)にロシア〜欧州上空を4回通過した際に撮影した画像より作成。(クリックして拡大)
図9 図8の火山噴火の含まれる部分を拡大したもの。噴煙の部分(左上)の観測時刻は、4月20日午前0時40分頃(日本時間)。(クリックして拡大)
図10 図1と同様。「いぶき」が4月20日(日本時間)にロシア〜欧州上空を4回通過した際に撮影した画像より作成。(クリックして拡大)
図11 図1と同様。「いぶき」が4月21日(日本時間)にロシア〜欧州上空を4回通過した際に撮影した画像より作成。(クリックして拡大)
図12 図1と同様。「いぶき」が4月22日(日本時間)にロシア〜欧州上空を4回通過した際に撮影した画像より作成。(クリックして拡大)
図13 図12の火山噴火の含まれる部分を拡大したもの。噴煙の部分の観測時刻は、4月23日午前0時40分頃(日本時間)。(クリックして拡大)
(*) 870nmは近赤外域、678nmは可視域、380nmは紫外域と呼ばれる波長域。「いぶき」の雲エアロソルセンサは、近赤外域、可視域、紫外域のいずれも太陽光が地表面や雲で反射された光を観測している。
(**) 「いぶき」は北極と南極を南北に結ぶ高度666kmの軌道を1周あたり98分かけて周回している。このため次に通過する軌道で取得された画像の撮影時刻は98分ずれている。
(文責:国立環境研究所)