宇宙航空研究開発機構、国立環境研究所、環境省で実施している温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)プロジェクトでは、平成21年1月23日の衛星の打ち上げ後、衛星で取得された観測データから変換された物理量の妥当性や解析結果の評価作業を行って参りました。
今般、解析された二酸化炭素とメタンの濃度データについて、一定の評価(検証作業)がなされましたので、これらのプロダクトの一般提供を開始致します。
このプロダクトの一部は、すでに研究公募で採択された特定の研究者によって、予備的な研究に利用されています。
今般公開するプロダクト(濃度データ)は、南北両半球の濃度分布の傾向についてはこれまでの知見と整合しています。ただし、地上などで得られた検証データと比較して2〜3%程度低い値となっていることが確認されています。
また、地域と時期によっては、大気中の塵(エアロソル)やダストなどが誤差要因として算出値に影響を及ぼしている可能性があります。データの利用・解釈に際しては、これらの点についてご注意ください。
上記課題の解決を含め、今後、データの解析方法の改訂を計画しています。これまでに観測されたデータも改訂された解析手法を用いて再処理を行い、新たなバージョンのプロダクトとして公開する予定です。
今後、「いぶき」によるデータプロダクトが、地球温暖化研究をはじめ様々な分野で活用されることを期待しております。
【公開データの概要と取得方法】
公開プロダクトの取得にはユーザ登録が必要です。「GOSAT DATA Archive Service」(http://data.gosat.nies.go.jp/)よりユーザ登録が可能です。
開示する画像の月は、2010年2月18日から開示するVer.00.50データのある月、すなわち2009年4月、6月、7月、11月、12月、2010年1月です。