このページは GOSATプロジェクト に関連する情報を提供するページです。
環境省、(独)国立環境研究所及び(独)宇宙航空研究開発機構は、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT/ゴーサット、平成21年1月23日打上げ)プロジェクトを推進していますが、今般、「いぶき」によるサリチェフ火山噴火の観測に成功しましたので、お知らせ致します。
サリチェフ(またはサリュチェフ)火山(標高1496m)は千島列島マツア島にある火山で、2009年6月12日に噴火しました。この噴火による噴煙を避けるため、民間旅客機の北米線、欧州線の便に遅れ等の影響が生じています。 「いぶき」では搭載した雲・エアロソルセンサ(CAI)による全球撮影を実施して3日毎に同一地点の観測を行っていますが、6月12日午前12時頃(日本時間)に撮影された画像に、噴火後間もないサリチェフ火山からの噴煙が捉えられていることが確認されました(Fig.1、Fig.2)。 当日は雲のため島自体を見ることはできませんが、噴煙は雲よりも高い高度に達しており、島を中心に東西方向に約150km、南北方向に約40km広がっていることがわかります。さらに6月18日にもCAIでサリチェフ火山を観測し、噴煙がまだ出ていることを確認いたしました(Fig.3)。
Fig.1 千島列島周辺の地図とCAI画像の範囲。△は火山を示す。矢印はサリチェフ火山の位置を示す。 (クリックして拡大)
Fig.2 2009年6月12日午後0時14分頃に撮影されたGOSAT CAI画像(青=CAI バンド1(0.38 μm)、赤=CAI バンド2(0.68μm)、緑=CAI バンド3(0.87 μm))。サリチェフ火山の噴煙は赤丸で囲んだ部分に黄白色で表示されている。 (クリックして拡大)
Fig.3 2009年6月18日午後0時14分頃に撮影されたGOSAT CAI画像(青=CAI バンド1(0.38 μm)、赤=CAI バンド2(0.68μm)、緑=CAI バンド3(0.87 μm))矢印はサリチェフ火山の位置を示す。噴煙は赤丸で示される付近に広がっている。 (クリックして拡大)